むし歯予防の実際
おかあさんになる方に

 むし歯予防というと、当然歯が萌出してから、つまり2歳くらいからでよいと考えているのではないでしょうか。実はこのときではすでに遅すぎるのです。むし歯予防は出産前、つまり母親になる前からそのつもりをしないとむし歯予防の実践は不可能なのです。
 では、それについて説明していきましょう。私のところにも1歳から2歳ですでに大きなむし歯をつくって来院する親子がいます。その親は決まってこう言います「うちの子は生まれつき歯質が弱くて体質のせいなのでしょうか」と、泣き叫ぶ子供を前にして困惑している親を今更責めても仕方ないでしょうが、とても生まれつきの歯質のせいだけとは考えにくく、食べ物との関係しか考えられない。
 つまりは親の方に問題あり、としか考えられないのだ。授乳期、幼児食期等全てこれらの時期は、子供自身で食べ物を選択したり、好き嫌いをゆう時期ではない、親から与えられたものを一方的に食べたり、飲んだりしているわけです。
 その中でむし歯に影響のある砂糖を遠ざける育児に徹すればよいわけで、甘味に対する嗜好形成をなるべく遅くなるようにするとよいわけです。それには子供のそばで母親がお菓子を食べたり、子供の目の届く場所にお菓子を置いていてはいけませんし、父親や祖父母や親戚や近所の人たちにも協力と理解をしてもらわなくてはいけません。
 ですから、母親になる前からむし歯予防のための生活環境の改善をしないと手遅れになってしまいます。
 小さな子供への強制治療はただ恐怖感与えるだけで、歯医者嫌いになるだけですから、せめて子供自身で歯磨きができるようになるまでは、甘味を遠ざけるような育児をして欲しいものです。